大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)2401号 判決

本店所在地

愛知県額田郡額田町大字樫山字宮東五七番地

エヌ・エッチ・ケー・ビルダー株式会社

右代表者代表取締役

花田日出人

本籍

愛知県額田郡額田町大字樫山字宮東五七番地

住居

右同所

会社役員

花田日出人

昭和一三年四月七日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官大西平泰出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人エヌ・エッチ・ケー・ビルダー株式会社を罰金二、〇〇〇万円に、被告人花田日出人を懲役一年にそれぞれ処する。

この裁判確定の日から三年間、被告人花田日出人に対し、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人エヌ・エッチ・ケー・ビルダー株式会社(以下「被告会社」という。)は、愛知県額田郡額田町大字樫山字宮東五七番地に本店を置き、自動車部品の製造販売を営むもの、被告人花田日出人は、被告会社の代表取締役として、その業務全般を統括しているものであるが、被告人花田は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空経費を計上するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

第一  昭和五八年九月一日から同五九年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三、三三三万一、九三三円であり、これに対する法人税額が一、三三〇万八、九〇〇円であるのに、同五九年一〇月二六日、愛知県岡崎市明大寺本一丁目四六番地所在の岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五七三万四、〇三四円であり、これに対する法人税額が一六三万八、一〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一、一六七万八〇〇円を免れ

第二  同五九年九月一日から同六〇年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が、九、八九八万七、九二二円であり、これに対する法人税額が四、一四三万五、七〇〇円であるのに、同六〇年一〇月二九日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、三二〇万八、四二六円であり、これに対する法人税額が一、二九六万七、六〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二、八四六万八、一〇〇円を免れ

第三  同六〇年九月一日から同六一年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四、三四八万七八八円であり、これに対する法人税額が六、〇〇九万五一〇〇円であるのに、同六一年一〇月三〇日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、四〇〇万八五八円であり、これに対する法人税額が一、二七一万一、八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額四、七三八万三、三〇〇円を免れもって、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

被告人兼被告会社代表者の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

甲の2ないし7、9ないし11、15ないし40

乙の2ないし15

(法令の適用)

一  判示各所為

被告会社につき 各法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

被告人花田につき 各法人税法一五九条一項

一  刑種の選択 被告人花田につき所定刑中各懲役刑選択

一  併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項、四七条、一〇条

一  刑執行猶予 被告人花田につき刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 笹本忠男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例